カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
お風呂に一緒に入りたがるのだ。

初めての時は凄く抵抗したが、慈英に説得されて入り始めた。

味を占めたのか、慈英は度々誘ってくるのだ。


「心菜、風呂。」

「今は準備してるから。」

「後で手伝う。仲直りしたい、心菜と。」

「もうしてる。」

「俺と入るの嫌?前は一緒に入ってくれてたのに嫌になった?」

「嫌になってないけど、慈英も疲れてるから一人でゆっくりしたいかなって。」


私も応戦する。

それらしい理由をつけるが、最後は慈英の強引さに負けてしまうのだが。


「フィアンセだよね?」

「まあ。」

「まあ?違うの?」

「違わない。」

「なら仲直りして。それとも年取った俺は嫌?」

「嫌じゃない。」

「なら一緒に入ろ。」


今度こそ、エプロンを外し始めた慈英に折れた。

絶対に引き下がらないのは知っている。

エプロンをソファーに投げて、私の手を引いて連れて行く。

結局、慈英には勝てないでいる。
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