カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
それでも慈英はこんな事も言っていた。


『彼女だって事も秘密だから。』

『彼女?フィアンセなら秘密にしなくていいのか?』

『そういう事じゃないでしょ。彼女でもフィアンセでも同じ…………。』

『同じじゃない。すぐに知れ渡る。』


勝ち誇ったような笑みを浮かべる慈英を睨む。

更にニヤける慈英に、今度は眉間の皺を寄せた。


『何?』

『心菜、まだ自覚が足らないみたいだな。』

『…………慣れないだけ。ほら、あんまり実感とかないし。』

『ふ〜ん、実感ね。』

『…………。』

『今までは学生で遠慮してたのもあるが、これからは社会人だし、遠慮なく結婚式の話とも進めていくから。』


本当に慈英は強引だ。

容姿端麗で地位も金もある。

女にフラれたり、拒否されるなんてないだろう。

逆に捨ててきたに違いない。

そんな彼が私なんかと本気で結婚とか考えてるのだろうか?

気まぐれ?
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