カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
賢は私に意地悪だ。

私が岬家に相応しくないと……案に教えているように思える。

岬家に歓迎されていないのか?

フィアンセだと言ってるのも慈英だけかもしれない。


「…………こな、聞いてる?」

「ん?」


私を呼ぶ声に我に返った。

私を覗き込む鈴乃と目が合う。


「ごめん、考え事してた。」

「だから連休は暇?」

「連休?」


そうだ。

もうすぐ連休が始まる。

入社して初めての長期休暇だが、特に用事はなさそうだ。

慈英と出掛ける予定もない。


「心菜は彼氏と出掛けるの?」

「特に予定はないかも。」

「心菜って一人暮らし?実家に帰ったりする予定とか?」

「実家か。」


帰ってないな。


「予定なければ出掛けない?」


鈴乃から結衣に視線を向け、賢や匠海、悠輝へと見渡していく。


「予定ないの?」


皆んなに聞いてみた。


「聞いてなかったのか?予定がないから遊びに行かないかって。」


呆れた声色で賢に返された。
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