カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
連休前、賢と家にいれば慈英が帰ってきた。


「ただいま。賢、また来てるのか?」

「兄貴、お邪魔してます。」

「『毎日来てる』って心菜から聞いてる。」

「同期だから帰る時間も同じだし、別に良いだろ。」

「別にいいけど。」


慈英がソファーに座る私の隣に腰掛けたので、狭い私は少し離れて座っていた賢の方にズレる。


「兄貴、明日は同期と出掛ける。」

「心菜に聞いてる。仲良くなったらしいな。」

「まあ。兄貴は仕事?」

「連休は休み。明後日から心菜と出掛ける。」

「どこに?」


私を挟んで、兄弟で会話をしている。

明日は同期と遊びに行く事になっている。

事前に慈英にも話である。

明後日からは慈英の希望で出掛ける。


「ん?心菜の実家。」

「実家?」


驚く賢を見た。

私と慈英を交互に見ている。


「お正月は帰れなかったから。夏休みは2人で出掛けたいし。なら、この連休に行けばいいかって話してた。」


賢が驚いた表情を見せている。
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