カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
「心菜は迷惑をかけてませんか?」


実家のソファに座るなり、父は慈英に話し掛けていた。


「全然大丈夫です。むしろ、家事とか心菜さんに任せる事が多くて申し訳ないぐらいです。」


慈英も父に笑顔で対応を始めた。

母がコーヒーを淹れてくれたので、そのコーヒーを一口飲んだ。

ソファに4人が座るなり、慈英が姿勢を正すのが目に入ってきた。


「実はご相談があります。」


少し緊張気味の慈英を見た。

両親の視線も慈英に集まっている。


「相談?」

「はい。そろそろ結婚の話を進めたいと思っております。」


コーヒーを持ったまま固まった。

じーっと慈英を見る。

突然どうしたのだ?


「心菜さんも社会人になったばかりではありますが、私も30になりましたし、結婚を進めたいと思っております。」

「「…………。」」

「許可して頂けますでしょうか?」


慈英が深く頭を下げて、両親にお願いをしている。


「お願いします。」


今回の目的はコレだ。
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