カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する

過去の２人

出会い

接点なんて全くなかった私達の出逢いはミサキ商事の近くあるカフェだった。

もう２年も前の話になる。

私が大学生の時のアルバイト先だったカフェで出逢ったのだ。


「Can I have coffee .」


英語で注文した彼に返事をした。


「Sure .」


この辺りには英語を話すビジネスマンは大勢いる。

当たり前のように返す私に彼は目を見開いた。


「話せるの？」


次は日本語だった。

そんな彼は私を試したのか？

嫌味な男だと思った。

英語を話せるのを自慢したい日本人なのかと。


「少しなら。」


素っ気なく返事をした私は背を向けてオーダーを伝えに向かった。

彼はスーツを着こなしたイケメンだったが関係ない。

感じの悪い印象を受けた私は、彼には目もむけずに他のお客さんの接客をしていた。


「あの人、カッコよくない？」

「そう？普通でしょ。」

「普通じゃないよ。私に接客させて。」

「いいよ。」


確かに見た目は普通じゃない。

凄くイケメンだ。

だが私は興味がないので、彼の接客は彼女に任せた。