カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
現実はすぐに押し寄せてきた。

各々の配属先に案内された私はたった一人の新人だ。

元々大勢の課ではない。

男性と女性が半々くらいの秘書課だ。


「新入社員の雨宮さんです。」

「今日から秘書課に配属になりました雨宮心菜です。宜しくお願いします。」

「久し振りの新人です。皆さん、宜しくお願いします。」


秘書課の皆さんの前で深くお辞儀をした。

そして私のサポートをしてくれているのが岬恵さんだ。

岬家三兄弟の真ん中だ。

私の憧れでもある恵さんが教育担当をしてくださるらしい。


「雨宮さんは私の下で副社長の第2秘書をお願いしてもらいます。」

「副社長?」

「はい、宜しくお願いします。」


副社長の第2秘書?

ちらりと恵さんを見れば、にっこりと微笑み返された。


「雨宮さん、先ずは副社長に挨拶を。」

「あっ、はい。」

「序でにコーヒーの淹れ方を教えるね。こっちに来て。」


早速業務開始か?

恵さんの後ろを付いて給湯室にやってきた。

恵さんがテキパキとこなす仕事を見て覚えていく。
< 83 / 216 >

この作品をシェア

pagetop