カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
秘書課に戻った私は恵さんに支持された内容を纏めていく。

隣の恵さんは電話対応などスケジュール管理や資料の纏めをテキパキと行っている。


「岬、社長との打ち合わせだが。」

「あー、いつ?」

「この日とか空いてる?」

「大丈夫。」


秘書同士でのやり取りも耳に入ってくる。

社長秘書は男性だ。

恵さんよりも年上だろう。


「雨宮さん、社長秘書の武内(たけうち)さん。」

「雨宮です。宜しくお願いします。」

「武内です。新人で副社長秘書なんて凄いね?」

「そうなんですか?」

「ほら、副社長はイケメンで独身だから、色々と恋沙汰になるといけなくて。あまり若い人は推薦されないんだ。」

「そうなんですね。」

「突然雨宮さんみたいな美人秘書が抜擢されて、秘書課が騒ついたくらいだからね。」


騒つく…………。

なんか凄い人事らしい。

確かに私自身も驚きの人事だから。


「副社長は女性に人気が高いから。雨宮さんも何かあれば相談してね。」

「あっ、はい、ありがとうございます。」


何か…………って何だ。

社長秘書の武内さんが席に戻っていく後ろ姿を目で追った。
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