カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する

副社長の秘書

コンコン…………。


「副社長、失礼します。」


副社長室へ足を踏み入れる。

軽くお辞儀をして本日のスケジュールを説明していく。


「副社長、本日のスケジュールですが、14時より役員会議が…………。」


毎日の朝の日課だ。

副社長室に入るのにも慣れてきた。

初めて足を踏み入れてから一ヶ月が経とうとしている。

流石に慣れてもくる。

そんな私を毎朝じっと見つめるのは止めて欲しい。


「以上です。副社長、何かありますでしょうか。」

「いや、あっ、コーヒーを頼む。」

「はい、直ぐにお持ち致します。」

「それとランチに付き合ってくれ。一人で食べるのは寂しいから。」

「はい、畏まりました。恵さんとご一緒させて頂きます。」

「チッ…………、まあいい。」


絶対に二人でランチには行かない。

これはここ一ヶ月を副社長の近くで仕事をしてきて思った事だ。

想像以上に人気がある副社長と二人で出掛けでもしたら…………。

秘書課の女子だけでなく、受付嬢や他の女子社員の噂の的になってしまうのは確実だ。
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