再会は突然に
「うわっ、38度!?」


思わず声が出たのは翌日の事。
朝いつも通りに起きて、猛烈な体のだるさと頭痛、喉の痛みに嫌な予感しかなくて久しぶりに引っ張り出した体温計で測ってみれば、これまた久しぶりに見た数字に驚いた。


「と、とにかく会社に連絡いれなきゃ、あ、あと恵梨にも言わないと」


ガンガン鳴る頭を必死に回転させて、とりあえず会社へ連絡を入れる。
朝早いというのに、年末前で忙しいのか課長に電話が繋がった。

こんな時期に風邪を引くなんていい迷惑だと言われてもおかしくないと覚悟を決め、電話口で土下座をすると40過ぎの課長は、嫌味の一つも言いたいどろうに優しく労わってくれた。


『インフルエンザの可能性もあるからちゃんと病院に行くんだよ?それから明日も無理しないで、熱が下がらないようなら休んでいいから』
『本当に忙しいのに申し訳ありません』
『大丈夫だよ。崎本さん早い目に仕事してくれてたから、そこまで急ぎの仕事もないしね。今は治すことに専念しなさい』
『はい、ありがとうございます・・・失礼します』


課長が電話を切ったのを確認して、私は手にしていたスマホをベッドに投げ出す。
そのまま体も投げ出したかったが、恵梨への連絡はもちろん、病院に行かなくてはいけない。
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