再会は突然に
ノロノロと動いて、スマホを手に取った。
恵梨にはラインで、風邪を引いて会社を休むことと仕事で迷惑かけてごめんねと送る。
少しして、【仕事ならうちに任せとき。早よ治すんやで】と温かく頼もしい返事が来た。

頼れる友人に感謝しつつ、フラフラしつつ病院に行く準備を始める。
病院は確か朝の9時からしか開かないが、なんせこの体調に亀並みのスピードだ。
自転車で行ける距離だが、こんな状態で自転車になんか乗ったら事故を起こすのは目に見えている。

それは流石にダメだと回らない頭で考え、歩いて行くことにした。
でも歩くスピードも落ちているし、自分が思う以上に早い目に出ないといつまでたっても病院には辿り着かない。

ボーとしつつも着替えを引っ張り出しながら、大希へは連絡しなくていいよね、と考える。

連絡したところで、迷惑だし、心配させてしまうだけ。余計なことで心配事を増やしたくない。
そう考え、いつも朝に送るおはようの挨拶だけを送り、スマホは用意したカバンに突っ込んだ。



診断結果は普通に風邪だった。
しっかり薬を貰って、フラフラになりつつ無事に家に着いたのはお昼前だった。


「寝たい・・・あ、でも水分取らなきゃ、あと氷枕も・・・」


独り言をぶつぶつ呟きながら、お茶を数口含み、夏場でもないので数少ない保冷剤をタオルに挟んだところで耐え切れずベッドにダイブ。

あっ薬・・・は夕方ぐらいに飲むんだっけ。ならとりあえず休もう、もうそろそろ限界だ。

数時間前まで寝ていたはずなのに、風邪のせいか目を閉じればすぐに夢の世界へと連れていかれるのであった。
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