再会は突然に

部長は「早く仕事に戻ってくださいね」とだけ言って、再びフロアから出て行ったが、周りは例の一行が気になて仕方がないという感じだ。

特に、若い女性社員。
もうすでに、狙いを定めているんだろうか。そう考えると恐ろしい・・・。

「あの子たちすごいね」と、横にいる恵梨に話しかけようとしたが、恵梨は腕を組んでじっと何かを考えていた。
仕事・・・してるわけじゃないよね？


「あのー・・・恵梨さん？」
「風香、どうやって昔の男にアピールするん？」


アピールする、前提なの！？
私まだ何も言ってないし、自分の中で接触しようかなでも無理だよねってほぼ諦めモードなんですけど！！


「まずは接触やな、連絡先は残ってんの？」
「あ、いや、全部消しちゃった・・・」


自然消滅してからしばらくしてメールアドレスから電話番号まで全部消したのだ。
気付いたら彼の連絡を表示する画面を表示させていて、流石にダメだと思ったから。


「というか、接触するにしろ機会ないよ？それに、結婚してないって確定してるわけでもないし・・・」
「まぁ接触はどうにかなるやろ。あと結婚云々やけど、早速狙ってた子らが言ってたやん、全員独身やって」
「え、そんなこと言ってたの！？」