再会は突然に
「・・・そうだね、当たって砕けろって言うし、とりあえずいけるとこまでいってみる」
「当たって砕けたらあかんけど、まぁ頑張りや」


そう言って恵梨は優しく微笑んだ。
え、恵梨さんよ、その微笑みはダメだよ・・・同性でも思わずきゅんとなるよ。


「そういえば風香って英語出来るん?」
「へ?受験英語で止まってるけど・・・」


それがどうしたという顔で恵梨を見ていると、はぁと大きなため息をつかれてしまった。


「え、なんか変なこと言ったかな?」
「いや、めでたく結婚となったらおそらく住むんは海外やろ?となると、受験英語やと心配やん」
「け、結婚ってそんな、まだ何も始まってないのに」


気が早いと言おうとしたが、「準備は大事やで」とアドバイスされる。
準備しただけ、ダメだった時のダメージが半端じゃなさそうなんですけど・・・。

そう言いたかったが、怖い顔をした部長が目に入り、大人しく業務に取り掛かることになった。

あとでこっそり英会話教室でも探そうか、いや流石にそこまでは早すぎるか、でも世の中もグローバル化とか言うし学んどいて損はないか、など悶々と考えてしまったのは、恵梨には秘密である。
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