再会は突然に
飲み会がスタートして1時間ほど経ったころ。
あゆちゃんが眠そうに恵梨に寄り掛かっている時、すぐ近くの引き戸が開いた。
てっきり、今までのように料理が運ばれてきたのかと思い、見上げたのが間違いだった。

入ってきたのは、3日前にみたあの一行だった。

う、うそでしょう?え、なんで?

久しぶりに彼を見かけた時と同じように心臓がバクバクとうるさいし、頭の中は疑問符が飛び交いプチパニックを起こしていた。

一行は、周りの歓声に笑顔で応え、奥に座る幹事など同期の中でも中心的存在のグループの方へと向かった。

その間、私は彼の方を目で追っていたが、追われている本人は全くこちらを見なかった。


「えー、実はこの方たちの話を聞いてると、同年代、もしくは近い歳ってことが分かりましてー、親睦を深めるために今回お呼びしました!」


いやいやいや!なんてことをしてくれるんだ!!
何の心の準備もしてなければ、こうも突然機会が回ってくると、どうしたらいいのか分からないし、逆に突撃しにいきにくいじゃないか!
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