再会は突然に
「顔真っ赤。飲んだの?」


表情は変わらず読めないけど、少し眉間にしわが寄っているような気もする。
昔から何か困ったことがあったり、心配事があった時の彼の仕草だ。

心配、してくれてるのかな・・・。

ただ、眠くて驚く元気もない私は大希の問いかけに、コクコクと頷くことしかできない。
そんな状態の私に、目の前の大希は困ったような表情を浮かべて「はぁ」と小さくため息をついた。

心配されているというよりかは、呆れられてるという表現の方が正しいかもしれない。
ぼーとする頭でそんなことを考えていた。


「やっぱり・・・眠くない?」
「眠い、かな・・・」


大希が来てから初めてまともに喋ったなぁ、なんてのんきに考えながら返事すると、大希は胡坐をかく自分の太ももを指さして、「眠る?」と聞いてきた。

あ、我慢の限界かも。

さっきまで半分ぐらいだった本能も理性を破ってもうすぐというとこまできていた。
大希の誘いが、決定打となり私は本能を選んだ。

うん、と頷いたかも分からない。
ただ本能に任せて、体が傾き大希の太ももに頭を乗せた瞬間、意識はなくなっていった。 
< 26 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop