再会は突然に
「うちもあるっちゃあるけど、そこまで強ないなぁ。もう最近は貯金額増やして今後に備えてるわ」
「そうなんだ・・・お見合いとかは?」
「来月に地元帰ってお見合いやな」
「えぇ!?」


思わず大きな声を出してしまい、周りからは冷ややかな目で見られた。
恵梨にも「何してんの」と言われてしまった。

いやだって、お見合いなんかないって最近言ってた恵梨が急にお見合いだなんだとか言うから!
驚くに決まってる!


「父親の知り合いの息子らしいけど、断って戻って来るから安心し」
「・・・それ安心していいことなの?」


そりゃ数少ない友人がいなくなってしまうのは寂しいが、新たな門出なら喜ぶに決まっている。
複雑な気持ちがないと言えば嘘になるが、原因が原因なだけに仕方がない。
自業自得というやつだ。


「いっそさ、」


恵梨は冷めただろうお茶を飲み、コップを置いて私をじっと見つめた。
じっと見つめられて、恵梨は本当に美人さんだなーと、のんきに考えていた私をぶん殴りたくなるのはすぐ後だった。


「昔の男が現れたらええのになぁ」
「は!?なんでそうなるの!?」
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