再会は突然に
『・・・えぇー!!??』


案の定叫んでしまった。しかも電話を離すことなんてすっかり頭の中から消え去って。
恵梨は電話越しで『うるさい!』と言っているが、今はそんなところじゃない。

だ、だって大希が、私を家まで送った!?
そう自分の中で反芻すれば、叫ばずにはいられない。


『もしかして何も覚えてへんの?』
『恥ずかしながら、居酒屋から一切記憶ないんだけど・・・』
『爆睡やったもんな』


うわぁ私のバカ!あの時勧めなんか受けなかったらお酒飲まず寝込むことなんかなかったのに!!
後悔と恥ずかしさでどうにかなりそうだ。
そんな私とは対照的に、恵梨はいたって冷静に解説してくれる。


『戻ったら風香爆睡やから、とりあえず起こそう思ったんやけど全然起きひんし、タクシーでも呼ぼう思ってん』
『すいませんなんか・・・』
『そん時に古賀さんが良ければ送りましょうかって。流石に断ろう思ったんやけど、よくよく考えたらチャンスやんってなってお任せしてん』


いや、仮にも男性に友達の送りを任せる?
寝込んだ私が異議申し立てする権利なんか一切ないけどさ。
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