再会は突然に
ということは、このハンカチの持ち主は・・・?
私の頭で思いつくのはただ一人、私を送ってくれたという彼。
いやでも名前とかの情報がハンカチにはないし判断するのも・・・あ、でも大希以外のものだったら逆に誰なのかって話だよね?

少し頭を回転させたものの答えなど出るわけもなく、恵梨に聞こうと早々にリタイアし部屋へ戻った。


『ねぇ恵梨、鍵が男性物のハンカチに挟まってたみたいなんだけど、これってまさか古賀さんのかな?』
『逆に聞くけど、古賀さん以外やったら怖ない?』


確かに・・・想像したら普通に怖いかも。



『でもどうやって返そう?』


海外事業部に突撃する勇気はまだない。
それにずっと内勤ってわけでもないだろうし、会議とかもあるだろう。もし突撃して本人がいなかったらかなり気まずい。

誰かに託す、という方法もあるが、当然聞かれるだろう。
それに、ちゃんと直接渡して謝罪と感謝の言葉を述べたいという気持ちがある。

私が爆睡している間に何が起きたか分からないが、迷惑をかけてしまったのは間違いないからだ。

恵梨にそう伝えると、少し間が空いて『退社後を狙えば?』と提案した。
< 33 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop