再会は突然に
またしても向けられる冷ややかな目は、この際置いておこう。

それよりも恵梨は何を言っているのだろうか?
彼が私の前に?いや、考えられるわけがない!!


「見ててしんきくさい」
「し、しんきくさいって・・・」


あまり聞きなれない言葉に、恵梨の地元である言葉だと理解する。
確か、もどかしいとかそういった感じの意味だったと思う。

恵梨は、肩に触れるか触れない長さの髪を後ろでハーフアップに直しながら、「思うんやけど」と言った。


「何?」
「いっそ会っちゃえばなんとかなるんとちゃう」


・・・いやいやいや、なんとかなるのか!?


「そもそも会う確率なんてほぼないって!ほら、向こうは外国住みだし!!」
「まぁそやけど」
「それに、もし会ったところで10年だよ?お互い触れずに終わるって」
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