再会は突然に
「楽しい・・・?」
「うん、難しそうな顔して選ぶ風香見てるの楽しい」


わ、私そんな難しい顔してメニュー見てた!?
そりゃ値段のこともあるし、ある程度難しい顔してたかもしれないけど!
それを見て楽しいなんて意地悪だ。


「人の顔で楽しまないでください」


少しむっとした言い方になってしまったけど、意地悪なことを言う大希が悪い。

顔見られないようにしてさっさと決めようと思った私は、テーブルに置いていたメニューを立てて、大希から顔を隠した。どうやらその仕草が面白かったのか、笑いをこらえるような声がする。

ほんの少しの怒りと恥ずかしさでどうにかなりそうだ。
こんなんじゃ選ぼうにも選べない。


「もう笑わないでよ!全然選べないんだけど」
「ごめん」


大希はそう謝るが、押し殺した笑い声は聞こえてくるし、本当にそう思ってるのか怪しい。

特に関心ないって顔しながら、どこか意地悪な面を持つ大希は昔から全然変わっていない。

そんな大希に「もう」と思いながらも、変わらない大希の姿がそこにあって嬉しくなる自分がいて、我ながら複雑な心理状況だと思った。
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