再会は突然に
今思い出しても、飲まなければよかったとひどく後悔する。
しかし、今この状況があるのは私が爆睡して、大希が送ってくれたからであり、飲んで良かったかもと思うようになった。


「本当に何も覚えてない?」


大希の表情はメニューを選ぶ時の意地悪そうな顔。

あぁ嫌な予感しかしない、私は一体何をしでかしたんだ。


「私何かした・・・?」
「とりあえず風香はあまり飲まない方がいい、心臓に悪いから」


あぁもうこれはダメな何かをしでかしたんだ・・・しかも大希の前で。
余計落ち込むし、何日か引きずるんだろうな。

もう何をやらかしたか聞く気力は残っておらず、さっきよりもワントーン落ちた声で謝るしか出来なった。
大希の顔もまともに見れず、視線はどんどん下を向いていく。

その時、ふと頭に何かが乗った気がして体が強張った。

何かが落ちてきた?

一瞬そう考えたが、すぐに間違いだと気づく。
何故なら、私の頭にあったのは大希の手だったから。

つまり、私は大希に頭を撫でられている構図になる。

・・・いや、何でそうなる!?


「な、なんで撫でてるの?」
「・・・さぁ?」


そう言いながら優しく頭を撫でてくるから、心臓はバクバクうるさく緊張で熱い。
今顔見られたら、確実に茹蛸になっている。

本当、大希はズルいし私は振り回されてばっかりだ。
振り回されないようにしようと思ってたのにな・・・。
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