再会は突然に
エドワードさんは「お二人とも美しい名前ですね」と言いながら、サンドウィッチの袋を開け始めた。

う、美しいですと。
そんなことをサラリと言うなんて、外国人気質ってやつなのかな?

エドワードさんはサンドウィッチを一口食べて、私の方を見てクスリと笑った。


「まさか日本に想い人がいたとは思いませんでした」
「お、おも!?」


エドワードさんの発言に私は、つい1週間ほど前にやってしまったように大声を出して、またも周囲から冷ややかな目で見られた。
恵梨に関しては、我関せず状態だ。

いやでも許してほしい。だって、まさかそんな言い方をされるとは思わなかったし。
というかなんでそんな言い方になるの!?


「彼はいつも読みにくい表情をしていますが、貴女と話している表情は分かりやすかったですね。まさかとは思いましたが」


「実はあのあと去ったように見せかけて、しばらく観察していたんです」と付け足して、エドワードさんはニコニコとしながら言った。

恵梨は「凄い観察力ですね」と褒めるが、私はそれどころではなかった。
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