再会は突然に
見られていたのは凄い恥ずかしいが、一途で真面目なタイプだの私の時の表情は違うだの、まるで私は他の人と違うように扱ってるみたいな言い方だ。
そんなことを言われたら、もしかして、と自惚れてしまう。


「お付き合いはされてないんですか?」


今度は飲みかけたお茶を吹き出しそうになった。
必死に口を押さえ、首を横に振るとエドワードさんは不思議そうな顔で「お似合いですのに」と言った。

お似合い、なんだろうか?
少なくとも、かっこよくて冷静な大希と特に取り柄のない私なんかがお似合いだとは思えない。

・・・あぁダメだダメだ、またマイナスの方に考えてしまう。とにかく、あの時の気持ちを思い出そう。大希が現れた後、恵梨に言った「当たって砕けろ」だ。
待っていても何も起こらない、自分から行動しないとダメだ。
今出来ることといえば・・・。


「あの、エドワードさんにお願いがあるんですが・・・」
「はい、なんでしょう?」
「古賀さんに私の連絡先を渡していただけないでしょうか」


ここで、エドワードさんに会ったのも何かの縁だ。私の連絡先を託して、もし大希が連絡を取ってくれたら頑張る。もし取ってくれなかったら・・・その時はその時だ。
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