再会は突然に
「えぇもちろん、ここにいただけますか?」


そう言ってエドワードさんはサッとペンとメモを取り出して私に渡してくれた。

こういうのは私が自分で用意して書くべきなんだろうが、言った後で何も書くものを持っていないという失態に気付いたのである。

私は「すいません」と言い、スマホのメールアドレスと電話番号、ラインのIDを記入した。エドワードさんは「確かに、ちゃんとお伝えしますね」と言い、颯爽と去っていった。

いつのまにお昼ご飯を完食してたんだろう・・・。


「連絡先の件はこれでなんとかなりそうやな」
「まぁ向こうが連絡してくれたらだけどね」


もう今は、連絡してくれることに賭けるしかない。
あぁそう思うとソワソワする。


「嬉しそうなとこ悪いけど」
「あ、うん?」
「お昼、あと10分で食べへんかったら置いてくしな」


そう言いながら恵梨はスマホの時間を見せてくる。時刻は早い目に戻る時間をとうに過ぎ、昼休み終了まで、ちょうど15分だった。


「急いで食べます!!」


ソワソワなんてしている場合ではなかった。
このままお昼未完食で戻っては、午後からの仕事に絶対支障をきたす。
それに容赦なく置いて行かれるのも困る。

私は焦りながら目の前に置かれた今日の昼ご飯を口に放り込むのであった。
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