再会は突然に
連れ去られる話
気付けば時間は過ぎ、金曜日になっていた。
大希が戻るまであと４日ほどしかない。

はぁぁぁと大きなため息をつくと、目の前に座っている恵梨に「ご飯まずなるんやけど」と毒を吐かれてしまった。

別に恵梨が怒ってるわけではなくいつも通りなのは分かっているので、毒を吐かれても気にしない。


「ごめん、でも許して」
「古賀さんと仲直りしたら許すわ」


スパーンと返されて、ぐうの音も出なかった。

大きなため息の原因は、もちろん大希だ。

あの話を聞いてからというもの、連絡に対して無視。
数回すれ違いそうになったところ、緊急回避のように回れ右をして避けた。もうあれはあなたのことを避けていますと言っているようなものだ。

いや、ちゃんと話さないとな、とは思ってはいるんだけど・・・思ってるだけで止まっていて、実際の行動には移せていないのだ。


「どうするん？古賀さん来週帰らはるんとちゃうん？」
「そうなんだよねぇ・・・」


エーズ社が日本にいる期間はあと僅か。来週にはイギリスに戻ってしまう。

連絡先を知っているとはいえ、この件は直接面と向かって話をしないといけないと思う。
だからこそ、うじうじしている暇なんてない。
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