再会は突然に
そう大希に言いながらも視線は合わせられず、自分の足元にいってしまう。

だって、まさかこのタイミングで会うなんて。
あぁ何を言えばいいんだろう。場所を離れようにも、集合場所から離れちゃダメだという考えになり、無言でいるしかなかった。

大希も大希で何か言うわけでもなく離れるわけでもなく。
向こうも私と同じように誰かと待ち合わせしているんだろうか。

とにかくあゆちゃんから連絡が来ていないかとスマホを見れば、タイミング良くあゆちゃんから電話がかかってきた。
焦って、大希に一言かけ場所を移動する前に通話ボタンを押してしまった。
仕方がなくその場であゆちゃんからの電話に出る。


『ごめん風香!今終わってそっち向かってる!!』


後ろでバタバタと音がして、相当急いでくれているんだろうと想像が出来た。
『大丈夫、ゆっくりでいいよ』と言うと『助かる!!』と言われた。


『風香以外に誰か来てる?』
『あ、私今日会うメンバーいまいち把握出来てなくて・・・』


日程は教えてもらったが、そういえばメンバーは他会社の人としか知らなかった。


『そうだった!ごめん教えるのすっかり忘れてた・・・あ、古賀さんは分かる?』
『え、こ、古賀さん?』
『うん、本当はエドワードさんが来てくれるはずだったんだけど急用で来れないっていうから、代わりに古賀さんが来てくれることになってて』
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