再会は突然に
決着させる話
・・・どうにでもなれって思ったけどさ?
まさか連れて来られた場所が、大希の過ごすウイクリーマンションだとは思わないじゃない?

「座って」と言われたソファーに腰掛けるも、当然落ち着くことなんて出来ず、自分の膝の上で組んだ手を見つめるばかりだ。

さっきからドクドクと心臓が荒ぶる音がして、少しでも気を抜けばどうにかなってしまうんじゃないかってぐらい緊張している。

そんな私とは違い、いつも通りの声、表情の大希はコップを二つ持って私の横に座った。
うぅ近い、近いよ・・・!!

「お茶しかないけど体温めて」


そう言いながら大希は前にあるローテーブルに置いた。


「ありがとう・・・」
「いいえ」

何とか落ち着かせようと、大希の淹れてくれたお茶を口に含む。
熱いけど、奥からじんわり温かくなって、少し心に余裕が出てきた気がする。


「風香、話があるんだけどいい?」
「う、うん・・・」


前言撤回。いざ話があるだなんて言われたら、余裕の欠片もない。

無意識に身構える。
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