再会は突然に
「俺のこと嫌い?」
「へ?き、嫌い?」


まさか嫌いかどうか聞かれるなんて思ってもなく、思わず大希の方を見れば、再びジッと見られていて勢いよく視線を戻した。

これはどう答えるのが正解なんだろう・・・?
いや、嫌い?って聞かれたら、答えはいいえに決まっているし、なんなら好きだって答えるのが私的には正解だとは思う。

でもそんなこと言って、大事な人がいるからなんて直接大希の口から聞いたら、立ち直れない。
考えれば考えるほど、どう言えばいいのか分からなくて私は黙ってしまった。


「俺は好きだよ、風香のことが」
「へっ」
「ちょっと意地悪したら可愛く怒るとことか、昔みたいに顔真っ赤になるとことか」


こ、この人は何言ってるの!?

唐突に告白されて、頭は大パニックの修羅場状態だ。
収拾がつかず、大希を見つめることしか出来ない。


「風香見つめすぎ」


そう言って、ふっと笑った大希に心臓がバクバクと跳ね上がっているのが分かる。

心臓を必死に抑え込みながら、何か言わなければと頭をフル回転させる。
しかし回転させればさすほど空回りしているような気がする。

大希をずっと見つめているわけにもいかず、視線を膝の上で握りしめていた手に向ける。
しかし、その手を覆うように大希の手が重なって反射的に体がビクついた。
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