再会は突然に
「あっ」
そう恵梨が言ったのが聞こえて、はっと我に返ると、さっきまでいた人が横によけていてちょっとした道が出来ていた。そこから歩いてくるのは、確かに社長とスーツを着こなした数人の外国人男性。
でも、見えたのはそれだけじゃない。
数人の外国人に交じって歩いてくる一人の男性。
誰か一瞬で分かった。最後に会った時から10年の歳月が流れているが、私が大好きだった面影はそのまま。
耳にかかるかかからないぐらいの黒髪に、冷静で何を考えているか分からない目つき。
変わったといえば、眼鏡をかけていることぐらいだろうか。
銀縁だろうか、すごく知的に見える。
まさか、こんな時に見かけることになるとは思わなかった。驚きで声が出ない私に、恵梨は「下がんで」とだけ言って私の服を引っ張り、歩いてくる人に道を空けた。
彼は一切こちらを見ず、周りにいる外国人男性と何か話しながら、気づけばエレベーターに乗って行ってしまった。
社長一行がいなくなると、周りから「かっこよかった」や「もしかして海外事業部のやつ?」といった声が聞こえてくるが、私はというと、驚きで声が出ないままだった。
そう恵梨が言ったのが聞こえて、はっと我に返ると、さっきまでいた人が横によけていてちょっとした道が出来ていた。そこから歩いてくるのは、確かに社長とスーツを着こなした数人の外国人男性。
でも、見えたのはそれだけじゃない。
数人の外国人に交じって歩いてくる一人の男性。
誰か一瞬で分かった。最後に会った時から10年の歳月が流れているが、私が大好きだった面影はそのまま。
耳にかかるかかからないぐらいの黒髪に、冷静で何を考えているか分からない目つき。
変わったといえば、眼鏡をかけていることぐらいだろうか。
銀縁だろうか、すごく知的に見える。
まさか、こんな時に見かけることになるとは思わなかった。驚きで声が出ない私に、恵梨は「下がんで」とだけ言って私の服を引っ張り、歩いてくる人に道を空けた。
彼は一切こちらを見ず、周りにいる外国人男性と何か話しながら、気づけばエレベーターに乗って行ってしまった。
社長一行がいなくなると、周りから「かっこよかった」や「もしかして海外事業部のやつ?」といった声が聞こえてくるが、私はというと、驚きで声が出ないままだった。