再会は突然に
驚きのあまり声が出ず、勢いのままドアを開ければ大希は開口一番「ちゃんと確認した?」と言った。


「か、確認ぐらいするよ!」


もう私30なんだから!確かに精神年齢は比例してないと思うけど、流石にそんな子供じゃない!

頬を膨らませ、怒った風に言って大希を睨めば、言われた本人は「ごめんごめん」と言いながら頭を撫でてくる。

撫でられるのは嬉しいけど、これどう見ても子供扱いじゃない!?


「私子供じゃないから!」
「ごめん、風香が可愛くて」
「な、な!!」


大希は私の心臓を何度も壊すことが出来るらしい。現に今も粉々に砕かれているはずだ。
大希も分かってやってるからタチが悪い。

その証拠に、慌てる私を見てクスクス笑ってるし!

ひとしきり笑った後、スッと大希の表情は真面目なものに変わった。


「全然連絡出来なくてごめん」
「へ、あ、大丈夫!明日だっけ帰国、そりゃ忙しくなるよね」
「まぁ色々とな・・・。風香に話があるんだ」
「話?」
「うん、大事な話」


大事な話・・・?

さっぱり見当もつかずぽかんとした表情を浮かべると、真面目な顔をしていた大希がふっと表情を崩した。
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