再会は突然に
あ、あれ、何で私こうなってるの?
え、私さっきまで座って大希に抱きしめられてたよね?
なのに何でこんな、いわゆる押し倒されましたみたいな状況になってるの!?


「あ、あの、大希さん・・・?」


そう問いかけても、私を組み敷く彼は何も言わず無表情で見下ろしてくる。

わ、私もしかして何か悪いこと言っちゃった?

不安そうな気持ちで大希を見つめていると、呼び止めるように名前を呼ばれた。


「何でしょう?」
「・・・今から襲うって言ったらどうする?」
「・・・へ?」


襲う・・・襲う!?

今自分が置かれている状況をやっと理解した私は、「えぇ!?」と思わず大きな声を上げてしまった。


「まぁ落ち着けって」
「だ、だって私こういうの初めてで!」
「うん、薄々そうかなって思ってた」


そう言いながら大希は優しく微笑んで、私を起こしさっきと同じように抱きしめてくれた。
私はというと、ころころ変わる状況を把握出来ず、疑問符を頭いっぱいに浮かべるしかない。


「薄々、とは?」
「反応がいちいち慣れてない感じで可愛すぎたから、そうかなって期待した」
「ちょっ、可愛い連呼し過ぎだって、可愛くもないのに!あとアラサー間近の女に期待しても何も出ないからね!」


ストレートに言ってくる大希に耐えられなくて、まくし立てるように否定した。

この人本当何言ってるか分かってるの!?
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