再会は突然に
しかし大希はそんなことなど気にせずといった感じで、「風香の想像に応えられるよう頑張るしかないか」などと言った。


「大希ってなんか余裕そうというか、慣れてるよね」


そうポツリと呟いてしまったのは、文字通り慣れた振る舞いをする大希に対するちょっとした嫌味と、過去への嫉妬だ。

大希は「うーん」と少し唸ってから、「正直にいえば、過去数人とそういう関係になったことあるけど」と素直に言った。

うぅ予想はしてたし、密かに覚悟もしてたけど、結構ダメージあるなぁ・・・大希はモテるし放っておかれないよね。
きっと私より全然スタイル良くて綺麗な外国人の女性ばかりだったんだろう。

いらぬところまで想像してしまって、ぎゅうと大希の服を握ると、よしよしと頭を撫でられた。かと思えば、耳辺りをゆっくり撫でてきた。
くすぐったくて身をよじると、すぐ近くから「でも良く聞いて」と言われた。


「本心から抱きたいと思ったのは、昔も今も風香だけだ」
「な、何言って」
「なのに、欲で他の女を抱いた過去の俺をぶっ飛ばしたいぐらい反省してるし、その分一生かけて愛するから、どうか許して欲しい」
< 88 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop