再会は突然に
・・・海外に行ってしまった彼を、まさか会社内で見かけることになるとは。
バクバクと鳴る心臓に、私は一体どうすればいいんだという疑問が浮かんでは、どうにもできないと否定的な答えが浮かぶ。


「・・・想像してたんと違ったわ」
「え、何が?」
「昔の男やん、あんなイケメンでいかにも仕事出来ますって感じやとは思わんかった」


・・・聞き間違いじゃなかったら、今昔の男って言った?
いや、まさか。私一言も言ってないし、流石の恵梨でも分かるわけないよね・・・。


「一応聞くけど、昔の男分かってしまった感じ・・・?」
「当たり前やん、男に興味ないってタイプの風香が、横であんな絶句してたら流石に分かるわ」


私、そんなに分かりやすく絶句していたんだろうか・・・。
なんて恵梨に聞いたところで、そうだと言われることが容易に想像出来るので、出そうになった言葉を飲み込んだ。
< 9 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop