再会は突然に
番外編

彼女の場合

師走、の言葉通り12月はあっという間だった。気付けばあと数日で年末を迎え、新年になるらしい。
約10年ぶりに再会した大希と結ばれてから約1ヵ月が経ったが、大希は本当に忙しいらしくまともに連絡が取れない状態が続いている。
まぁ時差が9時間もあるし、私が連絡取れる時間は向こうが寝ていたり、仕事していたりとなかなかタイミングが合わないのもある。

会いたくて、せめて声だけでも聞きたくて、本気でイギリスに行こうかと思ったが、社会人。
海外へ行けるほどの連休が取れるわけもない。

我慢我慢と言い聞かせるけど、会いたくて仕方ない。

こんな状態があと数か月も続くなんて。
分かってはいたけど、一体我慢など出来るのだろうか。



「遠距離って大変やなぁ」


目の前で温かいお茶を飲みながら、自分には関係ないと言わんばかりに友人である恵梨は言った。毎度恒例、昼休憩の食堂でのことだ。

そんな恵梨の言葉に私も慣れてしまった。

最初は何かいい案はないか、とか相談していたが、1ヵ月も経つとどうしようもないこの状態に、諦めモードへ突入し、返す言葉も出てこない。


「古賀さんは年末年始もあっちなん?」
「うん、帰国する時間が取れないかもって」
「かも、やったらまだ確定したわけちゃうやん」


そう恵梨に指摘されるも、9割無理なんだろうなと私は諦めている。
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