溺愛王子様のつくり方
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なんでだよ。
なんでだよ。
なんでだよ。

なんで、ちとせのとこにアイツがいるんだよ。



『は!?なんでてめぇ!?ちとせに手だししたらただじゃおかねぇぞ!?』


『はは、そんなに惜しいなら早くおいでよ』



電話の向こうで俺を嘲笑ってるかのように感じた。



「今日はもうなにもないよな?」



俺は北条に視線を向ける。



「はい、なにもアポイントはないです」


「すまん。今日は帰らせてくれ」



俺は椅子から立ち上がるとかかっている上着を手に取る。



「奥様ですか?」


「まぁ……」


「大事になさってくださいね」


「あぁ」



北条の声を背に、副社長室のドアを開けて、すぐ前にあるエレベーターに乗る。

胸騒ぎがした。
絶対に取り戻せなくなりそうな。
そんな胸騒ぎ。

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