溺愛王子様のつくり方
ふたりが並ぶとなんだかそこが輝いている。

顔の整った人たちってすごい。
自分には出せない雰囲気だなと思う。



「君が生徒会長?」


「あ、はい。霧島といいます」



燿くんがペコっと頭を下げる。



「えーっと……」



あたしに視線が注がれて、ただそれだけなのにかぁぁっと顔が熱くなっていくのがわかる。



「こいつは書記の……「鈴野ちとせさん、だよね?」



燿くんの言葉の途中であたし名前を言う。



「え……?」



どうして、あたしの名前を知っているのだろう。
でも、いまはそれよりも名前を呼ばれたことが嬉しくて仕方ない。



「はは、どうして名前知ってるのか不思議そうな顔してるね」



遊佐先生は、とても爽やかな顔をして笑った。



「おいー、俺お前の担任だぞー」



横から口を挟んできたのは、田代先生。



「あー……」


「田代ちゃんがちとせの担任だから、遊佐先生もちとせのクラスに入るってことか」



言葉がうまくでてこないあたしの代わりに、燿くんが言葉を続けてくれる。

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