溺愛王子様のつくり方
「そ。明日からホームルームとかに俺もいるからよろしくね。ちなみに田代先生と同じく英語担当」


「あ、は、はい」



あたしに目線を合わせてくる遊佐先生に対して、すぐに逸らしてしまうあたし。

元々、人と話すのなんて苦手だし。
初対面なんてなおのこと。

しかも、この人に見られると心臓が騒ぎ出す。

あたしを見て、にっこり笑う遊佐先生に耐えられなくて燿くんの後ろへと回る。



「おい、なにしてんだよ」



背中に回ったあたしに振り向いて苦笑いをする燿くん。



「遊佐先生は……眩しい」



自分でも何言ってるのかわかんない。

でも、社交的じゃないあたしにとって遊佐先生はとても眩しかった。

燿くんも眩しいくらい輝いてる存在だけど、また違う。
燿くんとは目を合わせられる。



「はは、眩しいって面白いね。鈴野さん」


「あ、いえ……」



顔はまだ見れない。

でも、思った。
下の名前で読んでほしいって。

この気持ちをなんて言うんだろう。

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