溺愛王子様のつくり方
「学、見るなよ」
環に引っ張られて、俺は病室に背を向ける形になる。
「なんでだよ、あれは俺のお父さんだよ」
まだ信じたかった。
俺のことを本当の息子だと思ってくれてると。
だから、環の制止も振り切って振り向いた。
「あ……」
振り向いて、目に入ってきたのは横たわる女性とキスをしてるお父さんの姿。
「は?」
いくら幼いとはいえ、キスがなんなのかわかってる。
俺のお母さんとお父さんがするものであって。
あの女の人とお父さんがらするものじゃない。
「だから見るなって言ったじゃん」
「なんで?なんで?お父さんは、俺らのおとうだよ?」
「お前、バカかよ」
一層低い環の声が頭上から聞こえる。
「え?」
「俺とちとせの父さんだよ。勘違いすんじゃねー」
そのまま何事もなかったかのように、病室の中に入っていく環。
環の言葉が俺の胸に刺さった気がした。
環に引っ張られて、俺は病室に背を向ける形になる。
「なんでだよ、あれは俺のお父さんだよ」
まだ信じたかった。
俺のことを本当の息子だと思ってくれてると。
だから、環の制止も振り切って振り向いた。
「あ……」
振り向いて、目に入ってきたのは横たわる女性とキスをしてるお父さんの姿。
「は?」
いくら幼いとはいえ、キスがなんなのかわかってる。
俺のお母さんとお父さんがするものであって。
あの女の人とお父さんがらするものじゃない。
「だから見るなって言ったじゃん」
「なんで?なんで?お父さんは、俺らのおとうだよ?」
「お前、バカかよ」
一層低い環の声が頭上から聞こえる。
「え?」
「俺とちとせの父さんだよ。勘違いすんじゃねー」
そのまま何事もなかったかのように、病室の中に入っていく環。
環の言葉が俺の胸に刺さった気がした。