溺愛王子様のつくり方
「かわいく成長したなー」



兄バカなのか、写真を見てニヤニヤしてる。



「この子、森ノ宮なんだ」


「うん。制服も似合ってるよな」



兄バカぶりを未だに発揮てやがる。



「ふーん」



あまり気のないふりをして、部屋へと階段を登る。



「決めた」



部屋についた俺は、ひとつのことを思いつく。



「恨むなら自分の父親を恨めよ」



俺は、さっき見た写真の女の子を思い出して笑いが止まらなかった。

俺の母さんだって、苦しでんだ。
この子に罪はないけど。

自分の父親と母親を恨めばいい。

やっと道を見つけた。
復讐の道をみつけた。



「あ、戸梶さん、いまいいっすか?」



スマホで大学の先生に電話をかける。



『遊佐。どした?』


「来年の教育実習。森ノ宮いきたいんすけど」


『別にいいけど、普通母校行かないか?』


「いいんすよ。森ノ宮が」


『わかったよ、話は通しておく』



次の年の教育実習が待ち遠しくて仕方なかった。

俺の復讐計画はここから始まった。

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