溺愛王子様のつくり方
『俺がついてながら、ごめん……学』
「嘘だろ!?嘘だよな!?」
力が抜けた手から滑り落ちるスマホ。
床には、スマホが落ちた音が響く。
「母さん……」
いつも俺のことを暖かく見守ってくれていた。
だから、いつか俺も母さんを守れるようになりたいとずっとおもっていた。
「学……」
座りこんだ俺の肩に手を触れる。
「俺、なにやってんだろ」
「学?」
「復讐するはずの相手のこと好きになって、バカだろ。こんなことしてる場合じゃねぇだろ」
確実に俺の心はちとせちゃんに向いていた。
ズタズタに傷つけるなんて目標忘れてた。
明日、実習が終わればこのまま……なんて思い始めたりもしめいた。
「学、ちとせのこと傷つけるのは……」
「母さんは充分苦しんでた。俺はあいつを傷つけなきゃならないんだよ!」
肩に置かれた手を振り払って立ち上がる。
「終わったらちゃんとしようって言ってた相手が終わるはずの日に現れない。これこそ最高だろ」
笑いが止まらなかった。
乾いた笑いが何度も何度も湧き上がった。
これでいいんだ。
俺は母さんの敵を取らないわけにはいかないんだから。
「バイバイ、ちとせちゃん」
──もう2度と会うことはない
「嘘だろ!?嘘だよな!?」
力が抜けた手から滑り落ちるスマホ。
床には、スマホが落ちた音が響く。
「母さん……」
いつも俺のことを暖かく見守ってくれていた。
だから、いつか俺も母さんを守れるようになりたいとずっとおもっていた。
「学……」
座りこんだ俺の肩に手を触れる。
「俺、なにやってんだろ」
「学?」
「復讐するはずの相手のこと好きになって、バカだろ。こんなことしてる場合じゃねぇだろ」
確実に俺の心はちとせちゃんに向いていた。
ズタズタに傷つけるなんて目標忘れてた。
明日、実習が終わればこのまま……なんて思い始めたりもしめいた。
「学、ちとせのこと傷つけるのは……」
「母さんは充分苦しんでた。俺はあいつを傷つけなきゃならないんだよ!」
肩に置かれた手を振り払って立ち上がる。
「終わったらちゃんとしようって言ってた相手が終わるはずの日に現れない。これこそ最高だろ」
笑いが止まらなかった。
乾いた笑いが何度も何度も湧き上がった。
これでいいんだ。
俺は母さんの敵を取らないわけにはいかないんだから。
「バイバイ、ちとせちゃん」
──もう2度と会うことはない