溺愛王子様のつくり方
「どうせ、騙されてるとか言われてんだろ」


「……っ、それ、は……」



燿くんにはいつも学くんのことを相談してて。
嬉しいときも、不安になったときも話を聞いてくれるのは燿くんだった。



「霧島にばっか頼ってたら、俺嫉妬しちゃうよ?」



クイッと顔を上げられて、チュッとおでこに軽いキス。



「……っ」



唇にキスをされたわけでもないのに。
学くんは、少しおでこに触れるだけであたしを悩殺しようとする危険人物だ。

だって、たったそれだけのことであたしの心臓はうるさくなる。

あぁ、この人のことが好きなんだなって実感する。



「ぷっ、ほんとすぐ顔真っ赤になるな」



今度はあたしの頬を優しく包みこむ。



「誰になんと言われても不安になんかなる必要ないよ。俺が好きなのはちとせちゃんなんだから」


「うん……」



好きな人の言葉は偉大だ。
その人に言われたらなんでも信じられる。

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