溺愛王子様のつくり方
「おはよ……みんな揃ってんのか」
コンコンと社長室のドアがノックされたかと思えば、ドアが開いて聞こえてくる大好きな人の声。
「ちとせ、大丈夫だったか……ってなんでお前泣いてんだよ!?環になにかされた!?」
横にきた学くんがあたしの顔をみて、慌てたようにタマを睨みつける。
「あれ……」
学くんに言われて、頬を触ってみれば生暖かい感触。
「気づいてなかったのか?」
「うん、お母さんのことで久しぶりに泣いたかもしれない」
お母さんが亡くなって、親戚に引き取られて。
そこでお母さんのことは忘れろといわれた。
お母さんの話題を出すことも、泣くことも禁じられた。
だから、いつしかお母さんのことで泣くことはいけないことだと思い込むようになっていた。
「母親のことか」
少し眉を下げて、複雑そうな学くん。
「あ、ごめんなさい」
学くんのことを傷つけてしまったかもしれないと、慌てて謝る。
コンコンと社長室のドアがノックされたかと思えば、ドアが開いて聞こえてくる大好きな人の声。
「ちとせ、大丈夫だったか……ってなんでお前泣いてんだよ!?環になにかされた!?」
横にきた学くんがあたしの顔をみて、慌てたようにタマを睨みつける。
「あれ……」
学くんに言われて、頬を触ってみれば生暖かい感触。
「気づいてなかったのか?」
「うん、お母さんのことで久しぶりに泣いたかもしれない」
お母さんが亡くなって、親戚に引き取られて。
そこでお母さんのことは忘れろといわれた。
お母さんの話題を出すことも、泣くことも禁じられた。
だから、いつしかお母さんのことで泣くことはいけないことだと思い込むようになっていた。
「母親のことか」
少し眉を下げて、複雑そうな学くん。
「あ、ごめんなさい」
学くんのことを傷つけてしまったかもしれないと、慌てて謝る。