溺愛王子様のつくり方
エピローグ
「おいで、僕のお姫様」


なんて手を伸ばしてくれるあたしの王子様。
そんな人が現れることを夢見ていた幼少期。



「学くん!」



今はそれが夢じゃなくて目の前にある現実だ。



「綺麗だよ、ちとせ」



大好きな大好きなその人は、目を細めてあたしを見てる。



「隣にいるのが学くんで幸せだよ」


「俺もだよ。一生幸せにするから」



ずっと待っていた、白馬の王子様。

とびっきりイケメンじゃなくてもいい。
とびっきりお金持ちじゃなくてもいい。
なにも持たなくていい。
あたしだけの特別な誰かと、いつか幸せになりたい。

とずっと思っていた。

──願わくばこの人。
その人はずっとあたしの心の中を支配していた。

でも、叶いっこないって思ってた。
それでも、いつか幸せになる未来だけはあきらめてなくて。



「大好きだよ」



目の前のあたしだけの王子様は、笑顔で頷いてくれている。

あたしの心をずっとずっと支配して、離れなかった。
あたしの王子様。



「結婚おめでとうー!」



笑顔溢れるチャペルで。
たくさんのお祝いを受けて。

あたしたちは今日、正式な夫婦になった。


-Fin-
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