溺愛王子様のつくり方
「好きだから……後悔なんてしないもん」


「そう……。じゃあとりあえずこっちこいよ」



力ないままそう言って、あたしに手を伸ばす。



「学くん?」



彼の言葉に、同じ目線になるようにしゃがんでその手を取る。



「一旦俺、寝るわ」



手を取った瞬間に放たれた言葉。



「は?」



あまりに斜め上を行く言葉に唖然としてしまう。



「寝ないとイライラ取れなそうだから」



あたしの手を取って、立ち上がった彼はズボンのポケットから何かをだす。



「寝る」



そう呟いて、足はキッチンへ。



「待って、それなに?」



彼が手にしていたものは錠剤に見えた。
あれは、おそらく睡眠薬。



「みたらわかるだろ。これ飲まねーと寝れないんだよ」



あっさりと認めて、冷蔵庫からだしたミネラルウォーターをコップに入れてゴクリと錠剤を飲む。

多分、日常的に使ってるんだろう。

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