溺愛王子様のつくり方
「でも、今は俺のものだ」


「うん……」



「仕事戻るわ。帰り、一緒に帰ろう」


「わかった」



あくまでも、彼の利益のため。
一緒にいるのはあたしに気持ちにあるからじゃない。

そうやって自分に言い聞かせないと、どうしても期待してしまう。

自分のものだと言う学くんの表情が、どうしても大切なものを見ている目をしてる気がして。

あたしの心臓はざわつくんだ。



「あ」



そんなことを考えてると、机の上のスマホが震えていて、LINEの通知を告げていた。



「燿くん」



ディスプレイに表示されたのは、燿くんの名前。



〝ドリンク、サンキューな!〟

〝お前、副社長と結婚したならちゃんと言っとけよな〟



焦った顔のスタンプつき。



「自分で言いたかったなぁ」



本当は寝る前に言うつもりだった。
すぐに寝てしまったからそれは叶わず、起きたら言おうとしてたら学くんが来てしまった。

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