溺愛王子様のつくり方
「なんで、泣くんだよ……」



眉が下がって、困ったような顔になる。



「あたしが、学くんのことを好きだからだよ」


「……っ」



好きな人と結婚ができたのに。
どうしてこんなにも冷たい気持ちでいるのだろう。

でも、たとえ学くんがあたしのことをすきじゃなくても。
それでも隣にいられるならと思った。

でも、一緒にいればいるほど好きになっていく。
欲張りになっていくんだ。



「あたし、学くんのことがすごく好き」


「……言うなって言ったろ」


「学くんにそんな事言われても、あたしは言いたい」



好きなんだから。
目の前にその相手がいるのに隠しておくなんてもったいない。



「勝手にしろ……」



はぁっとため息をついて立ち上がってあたしに背を向ける。

そんな彼の耳が少し赤くなってる。

……なんだ。
照れてるんじゃん。

それだけであたしは十分だよ。



「うん、勝手に好きでいる」



あたしがそういうと、クルっとあたしの方を向いて。

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