溺愛王子様のつくり方
「はじめてだったんだ、薬なしであんなに寝れたの」
たぶん、あの時のことだ。
薬をやめて欲しいって言ったとき。
「俺だっていい加減、薬を飲まないで寝れるようになりたい」
「最近は……?」
「寝る前だけ。それ以外には使わないようにしてる」
最初は、イライラした時にも飲むと言っていた学くん。
「そうなんだね……」
「だから、俺と一緒に寝ろよ。お前が横にいてくれれば俺は寝れる」
「……うん」
好きな人の頼みを断れるわけなんてない。
それに、あたしだって学くんに必要とされたい。
たぶん学くんには、見てるだけじゃ分からないくらいの苦悩がある。
それをあたしに言うつもりなんてないだろう。
言われなくてもいい。
少しでも学くんがあたしのことを必要としてくれるならば。
「やべ、もう行かなきゃ」
時計を見て、慌ててジャケットを着てあたしの頭にぽんっと手を乗せる。
たぶん、あの時のことだ。
薬をやめて欲しいって言ったとき。
「俺だっていい加減、薬を飲まないで寝れるようになりたい」
「最近は……?」
「寝る前だけ。それ以外には使わないようにしてる」
最初は、イライラした時にも飲むと言っていた学くん。
「そうなんだね……」
「だから、俺と一緒に寝ろよ。お前が横にいてくれれば俺は寝れる」
「……うん」
好きな人の頼みを断れるわけなんてない。
それに、あたしだって学くんに必要とされたい。
たぶん学くんには、見てるだけじゃ分からないくらいの苦悩がある。
それをあたしに言うつもりなんてないだろう。
言われなくてもいい。
少しでも学くんがあたしのことを必要としてくれるならば。
「やべ、もう行かなきゃ」
時計を見て、慌ててジャケットを着てあたしの頭にぽんっと手を乗せる。