溺愛王子様のつくり方
自分の寝室に入って、ふと見上げた先にある1着の服。

プリーツが胸元は縦ギャザーになっている。
上の羽織の下にはキャミソールのようになって胸元ははっきりとしている。

普段のあたしではお目にかかれないようなドレスだ。
特段胸が大きいわけでもないから、普段は胸元がはっきりとしているようなドレスは着ない。

今日の夜、あたしは学くんの妻として初お披露目されるのだ。

あたしは普段から持っているようなドレスでよかったのだが、学くんが〝幼稚園のお遊戯会みたいなドレスは見る気が失せる〟とか言って、昨日無理やり連れていかれたセレクトショップ。

値段をみたら震えてしまいそうな洋服がたくさんあるなか、学くんが選んでくれたドレス。

学くんの見立てはとてもよくて。
幼児体型のあたしでもエレガントに着こなせた。


〝馬子にも衣装だな〟なんて言ってたけど、目を細めて嬉しそうな学くんにあたしも嬉しくなった。

今日はこの服を着て、正式にお披露目される。

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