溺愛王子様のつくり方
「仕事なのかな……?」



職場じゃなくてホテルに部屋をとって何かやりたいことがあるのだろうか。

まだ仕事が残っているのであれば、あたしは学くんが帰ってきたときに食べられるものを用意しよう。

そうおもって、ドアに向かって歩き出したときだった。



「学」



エントランスのロビーから学くんに向かって歩いてくる1人の女性。

あたしなんかとは違って、同じ世界に生きてる人だ。
そう思った。

普段着なのだろうか。
エレガントなジャケットの中から見え隠れナイスバディな胸。

身につけているバッグやアクセサリーなどもすべて、あたしが普段つけないようなブランドばかりだ。



「行こうか」



近づいてきた彼女に部屋のキーを見せる学くん。

少しポッと頬を赤くした彼女と腕を組んで、そのままエレベーターに乗り込んだ



「……っ」



エレベーターのドアが閉まる瞬間、彼女と目が合った気がする。

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