溺愛王子様のつくり方
あたしのことなんて、知るはずもないのに。
それなのに、彼女があたしのことを嘲笑ってたように見えて仕方ない。

あたしのことが好きじゃない、学くん。
もしかしたらさっきの彼女が好きな人なのかもしれない。

あたしに、好きな人ができたらいつでも……──
という学くんだ。

学くんに好きな人ができない保証もない。
ただ、世間体があるからほかの女の人を抱くわけにはいかないと言っていたよね。

このホテルなら自分の会社の持ち物だから、フロントの人と話をつけておけば融通がきく。
だから、このホテルを選んだとしたら確信犯だ。



「あたしは……」



気づけばキス止まりで、それっぽい雰囲気になることがあっても学くんは冗談だとでも言うくらい寸止めにする。

男の人がそんなの耐えれるわけがないのもわかってる。

てことは、さっきの人と……。

キングサイズのベッドになってから、一緒に毎日寝て。
学くんは抱き枕だと言ってあたしのことを後からだきしめてくる。

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